Case Studies

多様なQA支援実績をご紹介

​​クレームにも素早く対応。高い技術で複雑なバグを解決

今回の事例のポイント

  • 新規事業をローンチしたものの、想定以上のバグが発生してしまった
  • 社内にQAのノウハウが足りていなかった中、8Technologyが入ったことでバグを回収できる体制となった
  • リリース前にバグを検出できたことで、”戻り工数”も削減された

株式会社サイバーレコード

ECサイトをはじめ、ふるさと納税の運営代行を展開する株式会社サイバーレコード。

ふるさと納税では、制度改正なども定期的に発生することから、臨機応変に対応する必要があり、サイトの運用が煩雑になりがちな面もあると言います。そうした背景から、バグをはじめとしたトラブルが続き、社内ではその対応に追われていたそう。そこで、現在は8TechnologyがQA業務を行い、品質保証を担っています。

現在、どのような運用体制で進めているのでしょうか。同社・CTO兼フヤセルPdMの原悠介さんに伺いました。

ローンチ後、想定以上のバグが多く発生。至急対応することが急務に

ーーまず、QA業務を依頼いただくことになった背景から教えてください。

弊社では、Amazonや楽天市場、Yahoo!といったECサイトの運営代行を行っています。その中で新規事業として、返礼品提供事業者がふるさと納税ポータルサイトを構築できるCMS「フヤセル」の提供を開始しました。

地域課題を解決する一つとして、ECのノウハウを活かし、ふるさと納税の事業に力を入れることになりました。しかし、当初は品質において課題が多くあったのです。

元々、フヤセルはローンチするタイミングが決まっており、スピーディに準備しなければならない事情がありました。しかし、急いでローンチしたこともあり、バグを検出しきれず、顧客にご迷惑をかけてしまっていました。

ふるさと納税のサイトは、ECサイト以上に複雑性が高いプロダクトです。寄附者がいて、返礼品などを管理する自治体があり、さらに我々のような中間委託事業者が入ってきます。様々な人や要素が絡む中、全体最適が難しい側面もあります。

また、ふるさと納税は国の制度なので、ルールが変わることも少なくありません。改正にあわせ、サービス側も都度調整しなければならないため、運用する上でも非常に煩雑です。

ただ、会社として注力する事業だっただけに、サービスとしての成功が鍵となっていました。しかし、そういった中で、ローンチ後に想定以上のバグが多く起きてしまい、クレームが発生したため、急いで改善しなければなりませんでした。

私自身、QAの領域においては専門外な部分もあり、ノウハウや解決策が見出せない状態だったため「社内で解決するよりも、プロにお任せするべきでは」と判断しました。

ーー当初、QA業務はどのように行っていたのでしょうか。

もともとQAの担当者は社内に一人だけしかおらず、正直なところ、ノウハウもキャッチアップしきれてなかったんです。

想定上「問題ない」と判断した部分も、思わぬバグやトラブルが発生してしまい、事前に把握しきれなかったのが問題だったと感じています。

ーー具体的に、どういったバグやトラブルがあったのでしょう。

例えば、戻るボタンを押すと入力したデータが消えてしまったりするなど、申し込み画面の挙動がおかしかったというバグがありました。細かいところをあげればキリがないほど、様々な問題が起きてしまっていました。

そこで、専門レベルの高い方を探していたんですが、なかなか人材を確保するのも難しかったんです。であれば、QA業務のサービスを提供している企業に依頼するのが早いと感じました。

ーー品質保証サービスを提供する企業は様々ある中で、8Technologyを選んだ決め手は?

何よりも早急に稼働できる点と、コスト面です。できるだけ早くクレーム対応をしなければならない中、迅速にサポートいただける企業を求めていました。

しかし、専門性が高く、スピーディに対応いただける人材となると、どうしてもコストも多く発生します。

そんな中で、8Technologyは「リソースが急いで必要な場面でも対応できる」と伺い、実際に見積もりを出していただいたところ、低コストで依頼できると知り、お願いすることになったのです。

現在、業務には想像よりも少ない人数で対応いただいています。そういった点もあり、コストも抑えてサービスを提供できているのかなと感じています。

品質が向上したことで、社内の工数も半分以下に削減

ーー現在、QA業務において、依頼いただいている内容について教えてください。

フヤセルのQA業務を全般的に担当いただいています。立ち上げたばかりのサービスなので、コアとなる機能に対するテスト検証をはじめ、バグが散見されていた箇所のチェックといったところでしょうか。

さらに最近では、開発のフロー改善もご支援いただいています。運用する上での体制がまだまだ整っていないため、「この作業はこのように進めたら良いのではないか」といった提案をいただき、全体のフロー見直しについても着手し始めた段階です。

依頼した業務を遂行するだけではなく、必要に応じて改善案を提示してくださるのは非常に助かっています。

ーー当初、課題となっていたバグやクレームの問題についてはいかがでしょうか。

知見のある担当者の方に入っていただいたことで、クレームなども2〜3ヶ月で落ち着きました。

ご依頼前はリリース後にバグが散見されていましたが、そうしたトラブルもかなり減っています。バグが見つかると、また開発側で修正しなければならないため、そういう意味では、”戻り工数”も削減されたと言えます。

ーー8Technologyが加わったことにより、変化があった点があれば教えてください。

まず、サービスの品質が非常に上がりました。品質向上により、スムーズにリリースできています。さらに、テストのフローを改善いただいたこともあり、テスト自体のスピード感も上がっています。

従来であれば「本当にリリースして大丈夫だろうか」と、事前に私が細かくチェックしていたのですが、現在はその確認作業もほとんどなくなりました。安心して任せられるので、本業に集中できています。

何よりも品質保証が重要。QA体制の改善も進み、さらなる事業拡大へ

ーーフヤセルのQA業務を行う上で、最も重要な点はどこにあるとお考えでしょうか。

やはり「作りたいものが正しくできているかどうか」に尽きます。ただ、開発側がチェックする段階で、抜け漏れがあるのはよくある話だと思うんです。

だからこそ、テストが重要になってくるので、QAとしては品質保証が何よりも求めてるところでしょうか。プロダクトとして提供したい価値をきちんと届ける。その上で、非常に重要な工程であると改めて感じています。

ーー今後の展望について教えてください。

現在、当社は上場準備を進めている段階です。事業を拡大していく上で、プロダクトの機能拡充もより求められます。

そうなると、さらに品質を担保するレベルも上がります。引き続き、御社の担当者に力を貸していただき、一丸となって取り組むことにより、ユーザーが安心して使えるプロダクトを提供していきたいです。

終わりに

サイト運用におけるQA業務は、仕様通りの挙動はもちろん、不具合なく、使いやすい状態になっているかどうかなど、細かくチェックする作業が肝心となります。様々な側面から厳しくチェックを行わないと、クレームやトラブルなども起こりかねません。

品質保証は、サイトの利便性を担保するだけでなく、顧客満足度をはじめ、自社ブランドの強化、競争力の向上にも関わってきます。そのため、品質保証は企業活動においても重要な要素といえます。

一方、サイトの仕様が複雑になると、品質の担保が難しくなっていくもの。その分、技術力やチェックの精密性が求められます。

今回、「8TechnologyがQA業務を担うことにより、劇的に品質が改善された」と話す同社。企業としても重要な事業だっただけに、根幹となる品質が担保されたことで、サービスとしても大きく前進したと言います。

クレーム問い合わせ対応が重荷になっている、社内のチェック体制が整備されていない、QA業務が属人化している——そんな課題を持つ企業様にとって、最良のパートナーであり続けるべく、引き続き一丸となって事業推進を行っていきます。

◆プロフィール

原悠介さん
システムエンジニアとしてキャリアを開始し、単身シンガポールでの挑戦を経て、ネットワーク業界でネットワークエンジニア、金融業界で事業立ち上げに従事。CTOとしてタスク管理サービス「Jooto」を立ち上げ、株式会社PR TIMESに事業譲渡後、Jooto事業部長に就任。その後、株式会社Chatwork(株式会社Kubell)にてChatworkプロダクトのPdMコアリーダーとして役割を担う。2024年10月、サイバーレコード入社。